2026.07.17
コラム第54回「地図から消えた川の話 ――昔の地形は今も残っている――」
普段歩いている住宅街の中で、「なぜこの道路だけ不自然に曲がっているのだろう」「なぜこの場所だけ周囲より少し低くなっているのだろう」と感じたことはないでしょうか。
実はその理由が、昔そこに流れていた川や用水路にあることがあります。
現在の地図を見るだけでは分かりませんが、昔の地図や公図を調べてみると、今は埋め立てられたり暗渠化されたりして姿を消した川や水路が数多く存在しています。
土地家屋調査士の業務では、測量や登記のために古い地図や公図を確認することがあります。その中で、現在の町並みと昔の地図を見比べると、驚くほど風景が変わっていることに気付かされます。
今では住宅地となっている場所に川が流れていたり、大きな道路の下に用水路があったりすることも珍しくありません。
私たちは普段、建物や道路を基準に町を見ています。しかし、人々が町をつくる以前から存在していたのは土地の形であり、水の流れでした。
川は低い場所を流れます。
そのため、昔の川や用水路の跡は、現在でも土地の高低差や道路の形として残っていることがあります。
例えば、住宅街の中で一部分だけ細長く公園になっている場所があります。そこがかつての川の跡であることもあります。また、周囲の道路が不自然にカーブしている場所も、昔の川筋に沿って形成された結果かもしれません。
都市化が進むにつれて、多くの川や水路は埋め立てられたり地下に移されたりしました。しかし、川そのものが消えたとしても、その土地が持つ性質まで消えるわけではありません。
大雨が降ると昔の川筋だった場所に水が集まりやすいと言われるのも、こうした地形の特徴が関係しています。
近年は豪雨災害が増え、「ハザードマップ」という言葉も広く知られるようになりました。ハザードマップを見ると、昔の河川や低地と現在の浸水想定区域が重なっていることも少なくありません。
もちろん、昔川だった場所だから危険、そうでない場所だから安全という単純な話ではありません。しかし、自分が暮らす地域の成り立ちを知ることは、防災について考えるきっかけにもなります。
町は時代とともに姿を変えます。
田畑は住宅地になり、川は道路になり、空き地には建物が建ちます。しかし、その変化の下には、昔から続く土地の歴史が静かに残っています。
土地家屋調査士は、日々の業務の中で土地の形や境界を確認していますが、古い資料を見ていると、土地は単なる不動産ではなく、その地域の歴史そのものだと感じることがあります。
今、私たちが当たり前のように暮らしている町も、何十年、何百年という時間の積み重ねの上に成り立っています。
もし機会があれば、ご自宅の周辺の古い地図を見てみてください。
いつも歩いている道が昔は川だったことや、見慣れた住宅街がかつては田畑だったことが分かるかもしれません。
普段見慣れた風景の中にも、過去から受け継がれてきた土地の記憶が残っています。そうした視点で町を眺めてみると、何気ない景色も少し違って見えてくるのではないでしょうか。
執筆 土地家屋調査士法人ファミリア
ファミリアグループサイトはこちら
実はその理由が、昔そこに流れていた川や用水路にあることがあります。
現在の地図を見るだけでは分かりませんが、昔の地図や公図を調べてみると、今は埋め立てられたり暗渠化されたりして姿を消した川や水路が数多く存在しています。
土地家屋調査士の業務では、測量や登記のために古い地図や公図を確認することがあります。その中で、現在の町並みと昔の地図を見比べると、驚くほど風景が変わっていることに気付かされます。
今では住宅地となっている場所に川が流れていたり、大きな道路の下に用水路があったりすることも珍しくありません。
私たちは普段、建物や道路を基準に町を見ています。しかし、人々が町をつくる以前から存在していたのは土地の形であり、水の流れでした。
川は低い場所を流れます。
そのため、昔の川や用水路の跡は、現在でも土地の高低差や道路の形として残っていることがあります。
例えば、住宅街の中で一部分だけ細長く公園になっている場所があります。そこがかつての川の跡であることもあります。また、周囲の道路が不自然にカーブしている場所も、昔の川筋に沿って形成された結果かもしれません。
都市化が進むにつれて、多くの川や水路は埋め立てられたり地下に移されたりしました。しかし、川そのものが消えたとしても、その土地が持つ性質まで消えるわけではありません。
大雨が降ると昔の川筋だった場所に水が集まりやすいと言われるのも、こうした地形の特徴が関係しています。
近年は豪雨災害が増え、「ハザードマップ」という言葉も広く知られるようになりました。ハザードマップを見ると、昔の河川や低地と現在の浸水想定区域が重なっていることも少なくありません。
もちろん、昔川だった場所だから危険、そうでない場所だから安全という単純な話ではありません。しかし、自分が暮らす地域の成り立ちを知ることは、防災について考えるきっかけにもなります。
町は時代とともに姿を変えます。
田畑は住宅地になり、川は道路になり、空き地には建物が建ちます。しかし、その変化の下には、昔から続く土地の歴史が静かに残っています。
土地家屋調査士は、日々の業務の中で土地の形や境界を確認していますが、古い資料を見ていると、土地は単なる不動産ではなく、その地域の歴史そのものだと感じることがあります。
今、私たちが当たり前のように暮らしている町も、何十年、何百年という時間の積み重ねの上に成り立っています。
もし機会があれば、ご自宅の周辺の古い地図を見てみてください。
いつも歩いている道が昔は川だったことや、見慣れた住宅街がかつては田畑だったことが分かるかもしれません。
普段見慣れた風景の中にも、過去から受け継がれてきた土地の記憶が残っています。そうした視点で町を眺めてみると、何気ない景色も少し違って見えてくるのではないでしょうか。
執筆 土地家屋調査士法人ファミリア
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