2025.04.30

コラム第24回「家族信託と財産の引継ぎ」



 「家族信託」は、信頼できるご家族に大切な財産である不動産やお金の管理を託すことができる仕組みとして広く知られています。ご両親がご健在なうちにお手続きいただくことで、将来、もし認知症などになられた際に、ご家族が協力して財産を守ることができ、安心につながります。

 実は、「家族信託」には、財産管理という役割に加え、もう一つ重要な側面があります。それは、遺言書のような役割も果たすことができるという点です。

 先日、委託者であるお父様がお亡くなりになり、家族信託の終了手続きをさせていただいたお客様から、次のようなお話を伺いました。
 「父は認知症にならず、最後まで元気でしたが、家族信託の中で財産の分け方を決めておいたおかげで相続人同士で話し合いをする必要がなく、本当に助かりました」とのことでした。

 このお客様は、「家族信託」のご相談当初から、お父様の認知症対策と同時に、相続発生時に親族間でもめ事が起こること懸念されていました。そのようなご事情を踏まえ、私たちは、お父様の生前の認知症対策としての家族信託をご提案するとともに、相続が発生した際に争いが起こらないよう、各相続人に保障された最低限の取り分である遺留分に配慮した財産の分け方をご提案させていただきました。その結果、相続人の方々が揉めることなく、スムーズに相続のお手続きをさせていただくことができました。

 弊社は、東海地区において「家族信託」の手続きを数多くお手伝いさせていただいておりますが、その根底にある目的は、お客様の「家族の幸せ」を実現することです。

 ご両親が認知症になられた際に、ご家族が財産を管理できるように備えておくことは、非常に重要な生前対策です。しかし、将来の相続の際に親族間で争いが起きてしまっては、「家族信託」の手続きをして良かったということにはなりません。
 そのような事態を防ぐために、弊社では、「家族信託」終了後に、誰がどの不動産などの財産をどのような割合で引き継ぎ・相続するのが適切なのかという「財産診断」にも力を入れてご提案させていただいております。具体的には、以下の項目について詳細な分析・診断を行うために、お客様にヒアリングをさせていただきます。

・不動産の収益性・流動性の価値の分析
・一次相続、二次相続の相続税の診断
・子どもの各世帯のライフプランの分析

 これらの内容を踏まえ、2週間から1カ月程度のお時間をいただき、資産のシミュレーションを作成いたします。

 相続で家族を揉めさせない。
 相続で優良不動産を減らさない。
 子や孫に将来お金で困らせない。

 この3つをモットーに、家族みんなが幸せなプランニングサービスを提供させていただきます。ご両親が亡くなった後の葬儀や法事で、家族の皆さまが揃って手を合わせることができるようにすることが、弊社の使命と考えております。

 このような総合的なコンサルティングには、平均して3~4カ月、長い場合には半年以上、1年以上かかることもございます。
 家族の幸せのために、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

 執筆 司法書士法人ファミリア
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