2024.04.01
【用語解説】成年後見人制度とは?
皆さん、成年後見人制度という言葉を聞いたことはありませんか?
成年後見人制度とは、意思能力がない方に代わり、本人の判断を他の者が補うことによって、本人を法律的に支援するための制度です。例えば、認知症等になってしまった方(被成年後見人)の代わりに、様々な法律的行為をする方が成年後見人と呼ばれます。弁護士等が選任されることが一般的です。
成年後見人には勝手になることはできず、家庭裁判所の許可を得ないといけません。
空き家問題で、「自分の母親が認知症になってしまい施設に入って、住んでいた家にもう戻ることもできないし、父親もすでに亡くなっている。自分は他の場所に家を購入したので実家に戻ることもない。管理するのも大変なので売りたい。」と考えられる方がいらっしゃいます。
しかし法律上、実家の土地と建物は認知症の母親のものです。母様の不動産を、いくら息子といえ勝手に売ることはできません。しかし、認知症等になってしまうと意思能力がないとみなされ、お母様は売買契約等の法律行為を行うことができなくなってしまいます。
このような時に、成年後見人制度を利用すると、認知症になったお母様の代わりに成年後見人が売買契約を行うことで家を売ることができます。
これだけ聞くと便利な制度に聞こえますが、成年後見人制度を利用するには、多くの時間・費用・労力がかかります。また、成年後見人制度を利用するとお母様が亡くなるまで辞めることができません。お母様が亡くなられるまで、全ての財産の管理を成年後見人が行い、成年後見人である弁護士等に報酬を支払わないといけなくなります。
ですので、実際このようなケースの場合はお母親が亡くなられるまで建物を管理して、亡くなられた後に相続し、売却するケースが多いです。認知症になってしまうと、手続き等かなり大変なので認知症等なってしまう前に、家族信託等で財産の管理をしっかりしておくことをお勧めします。
また、遠方に住まわれている等で管理の大変な方は空き家管理事業者へ相談ください。