空き家管理Q&A

空き家の問題全般について

空き家を放置していると法律に触れるのですか?

空家を適正に管理せずに長期間放置すると、建物の老朽化が通常より格段に速く進み、瓦や外壁が落下、飛散し、通行人や隣地の建物に被害を与えるおそれがあります。そのような場合、民法に基づき、建物の所有者や管理者には損害賠償責任が発生します。適正な管理が行われていない場合については、台風や地震等の自然災害であってもその責任からは逃れられません。また所有者や管理者に対して、自治体から指導をうける場合もあります。

空き家の土地の樹木が自分の土地に越境しているので、県や市で切ってもらえますか?

県や市では所有者の代わりに枝木の伐採をすることはできません。また、これまでは隣地の方でも伸びてきている枝を勝手に切る事は出来ませんでした。しかし令和5年4月の民法改正により、次のいずれかの場合には、枝を自ら切る事ができるようになりました。
① 竹木の所有者に越境した枝を切除するよう催告したが、⽵⽊の所有者が相当の期間内に切除しないとき
② 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき
③ 急迫の事情があるとき

また、その状態が改善されない場合については当該空き家所在地の自治体へ相談することをお勧めします。

空き家に家電やゴミが不法投棄されているので、どうにかしてもらえませんか?

ご自身で他人の土地に入って撤去等を勝手に行うと罰せられる可能性がありますので、まずは空き家所在地の役所や警察へご相談ください。

空き家に不法侵入者がいるようで不安なので、どうにかしてもらえませんか?

空き家所在地の市役所や警察へご相談ください。

空家の所有者を調べるにはどうすればよいでしょうか?

空き家の所有者が不明の場合、法務局に行き建物か土地の登記簿謄本を取得する方法があります。登記簿謄本には所有者の現住所が載っているので連絡を取りたい場合はそこにお手紙を送る方法があります。近隣の空き家についてお困りの場合については空き家所在地の役所に直接相談しましょう。

所有する空き家に関する相談や管理不全の空き家及び老朽建築物の苦情は、
どこにすればいいでしょうか。

所有する空き家についての相談は、空き家所在地の自治体や空き家総合相談窓口で受け付けております。管理不全及び老朽建築物の苦情については空き家所在地の自治体が窓口となります。

空き家の相続について

空き家を相続したが利用する予定がない。どうすればいいか?

利用する予定のない空き家については、お早めに売却を検討することをお勧めします。空き家を所有するだけでも毎年の固定資産税等が発生し、定期的な管理も必要になってきます。管理を怠り被害が出てしまうと、損害賠償請求される可能性も出てきてしまいます。
売却に関しては、無料で相談できる空き家管理事業者空き家マイスターに相談することをお勧めします。

空き家の相続を放棄したいがどうすればいいの?また相続を放棄したら、
管理義務はなくなるのですか?

相続を放棄したい場合は、被相続人(死亡した人)が亡くなったことを知った翌日から3カ月以内に、被相続人最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書を提出しなければなりません。申述書が受理されれば、相続放棄は認められ、建物の管理義務については次の順位の相続人の方に引き継がれます。
相続放棄される場合は、次の相続人とトラブルにならないように事前に親族で相談することをお勧めします。また、令和5年4月に改正した民法では相続放棄した建物の管理義務について「現に占有している」者に限り相続放棄後の管理義務を負うとされ、相続財産の管理義務について緩和されました。

所有者が死亡しており、相続人がいない場合はどうしたらいいですか?

亡くなった人と利害関係のある人(債権者など)は、相続財産清算人の選任を家庭裁判所に申し立てることが出来ます。
相続財産清算人は、被相続人の財産を調査し、不動産を売却する等、財産の現金化を行いそこから債権者へ弁済します。相続財産清算人は誰でもなることができますが、多くは地元の弁護士から選任されます。清算人申立ての際に希望の候補者を出すこともできますが、必ず希望の候補者が選ばれるわけではありません。

空き家の利活用について

空き家に家具などがたくさんあるけど、そのままで賃貸用とすることはできるのですか?

建物や家具の状態が良ければ、家具付きで貸し出すことも可能です。
地域の需要や賃料設定など個別具体的な相談については、無料相談できる空き家管理事業者空き家マイスターへ直接問合せ下さい。

リフォームして貸し出したいけど、採算は取れるだろうか?

立地や建物の状態、リフォームにかかる費用によって条件が変わってきます。
空き家のプロである、空き家管理事業者空き家マイスターに直接無料相談してください。

空き家の処分について

空き家の所有者が認知症ですが、空き家の処分を身内でできますか?

空き家の所有者が認知症の場合、身内の方でも勝手に処分することは出来ず、裁判所に成年後見人を申し立てなければなりません。成年後見人の申し立てが認められた場合については、成年後見人の許可のもと空き家の処分することができます。ただ、成年後見人が選任された場合、成年被後見人(認知症)の方が亡くなるか、認知症が回復するまで成年後見人制度を止めることができず、以後ずっと財産を管理する義務が発生します。認知症になる前に家族信託等、成年後見人選任以外の方法をご家族でお話し合いする事をお勧めします。

接道義務を満たさない空き家を持っており、建替えや売却が出来ずにいる・・・。活用方法はないのか?

接道義務を満たさない空家の活用方法としては、以下の選択肢が考えられます。

①隣地の土地等を購入して接道義務を満たすようにする
②建替えや改築をせずに活用する
③接道義務を例外要件を満たすようにする

などといった解決策があり、接道義務の例外要件にあたらないのか等を積極的に当該空き家の自治体の窓口に相談することをお勧めします。

空き家を解体する費用がありません。どうすればよいでしょうか?


空き家が建っている土地を売却して、その費用で解体することをお勧めします。空き家の状態にもよりますが、古い空き家については価値がつきません。ただしその空き家のある土地を売却することができれば、その売却の金額で建物の解体費用を捻出することができます。個別具体的な事案については空き家管理事業者空き家マイスターにご相談ください。

自分では解体できないので、空き家を無償もしくは少額で県や市に寄付することはできますか?

自治体にもよりますが、基本的には県や市は空き家の寄付を受け付けておりません。自治体によっては解体補助金制度がありますので、一度空き家所在地の役所へご相談ください。また建物がない空き地については、相続土地国家帰属制度が使用できる可能性があります。

空き家はどれぐらいの価値で売れますか?

状態にもよりますが、築年数が古い空き家については建物そのものの価値はわずかです。空き家ある土地については条件によって高額な金額で売却できる可能性もありますので、空き家管理事業者空き家マイスターに相談して無料査定することをお勧めします。

壊れかけた空き家や使われなくなった空き家を、県や市が解体してくれるのですか?

所有者の依頼に基づいて県や市が空き家を解体することはありません。行政が空き家を自ら解体する場合は「行政代執行」という制度を利用し、空き家を解体します。行政代執行でかかった空き家解体の諸経費は空き家所有者に請求されることとなり、支払えない場合は差押えを受けます。

空き家の管理について

親が施設に入り、親の家が空き家になると思われるのですが、どうすればよいでしょうか?

まず空き家やその土地を今後どうするのでしょうか?今後、身内の方がその土地に移り住むのであれば、定期的な管理が必要です。遠方にお住まいで定期的な管理が難しい場合は空き家管理事業者にご相談ください。今後、使用する可能性が無いのであれば、売却することをお勧めします。
所有者に意思能力があるのであれば、通常通り売却できます。認知症等で意思能力がない場合については、一般的な売却ができませんので、相続が発生するまで適切に管理するか、成年後見人制度を利用することで売却できます。

所有している空き家が特定空家等にあたるため適正に対応するように指導を受けたがどうすればいいか?

市区町村長から助言、指導を受けた特定空家等の所有者は、直ちに改善する必要があります。
解体したい、補修したい、草木の除去がしたいけど方法が分からないといった方は
空き家管理事業者のアドバイスを得ながら勧告を受けないように適切な対策してください。

対策後、自身で頻繁に空き家の状況を確認することができない場合には、
空き家管理事業者による定期的な確認を依頼するなどの方法が有効なので、
まずは一度ご相談されることをお勧めします。

税務署や金融機関などから差押えを受けた空き家は、誰に管理責任がありますか?

空き家の管理責任については所有者にあります。 差押えを受けてしまうと、一般的な売却などができなくなりますが、所有権や管理責任は引き続き所有者にあります。差押えを受けた不動産については競売等で売却され、その売却費用から債権者は金銭を回収します。

建物の管理をする人がいない場合はどうなるのでしょうか?

空き家について相続する人が誰もいない場合、空き家は相続財産法人となり、その管理のために管理人を選任する必要があります。管理人の選任は、空家により被害を被る恐れのある方や、債権者などの利害関係者が裁判所に申し立てを行う必要があります。管理人が選任されれば、以後はその管理人が管理を行います。

空き家の税金について

空き家を解体すると税金が高くなると聞きますが、本当でしょうか?

本当です。建物が建っている住宅用地については、固定資産税・都市計画税を軽減する措置があります。 住宅が建っている土地については、面積200平方メートル以下の部分に対する標準課税が、固定資産税は評価額の1/6に、都市計画税は評価額の1/3に軽減されます。
これまでは空き家を解体してしまうと、税金が上がってしまうので、空き家を解体せずに放置する人が多くいましたが、令和5年12月より「管理不全空き家」という枠組みが新たに誕生し、建物が現にあっても特例を受けられない場合が出てきましたので、これまで以上に適切な管理が空き家所有者には求めまれます。

PAGETOP